第1章 サムライ商法にダマされるな!

1−5 大学の授業料無料は必要か?

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 前項では、教育コストの増大に比べれば、児童手当も子供手当も焼け石に水、所詮はバラマキに過ぎないと説いた。 教育にカネがかかりすぎる。 だから児童手当それ以前に、教育コストをまず削減する事こそが、少子化問題解決につながるというのが、本書の主張である。
これに対し「では大学の授業料を無料にすれば良いではないか」と主張する人もいるが、どうだろうか? 大学の授業料を無料にするために税金が高くなり、結局これもまた形を変えたバラマキであり、本質的解決にはならない。
 冗談じゃないと私は言いたい。 考えてもみるがよい、クルマが無料になれば、自動車会社は喜ぶだろう。 無料でクルマを配るだけで、国から自動車会社にガッポリ補助金が入るとしたら、こんなに楽な営業はない(有料だからこそ消費者の厳しい目にさらされるのだ!)。 授業料無料とは即ち、大学関係者を公務員化する事に他ならない。 そして公務員化とは即ち、成果を出さなくても身分が保障されると言う事である。 大学の授業料を無料にするというのは、負担軽減といっても見かけ上のものに過ぎず、その分税金などが高くなるから、これまで行われてきたバラマキと、さほど変わらない。
 
 本書はそのような稚拙なやり方は採用しない。 では具体的にどうするか、お急ぎの方は
2−16 親の負担ゼロを実現する手順と3つのポイント
さらに思想的な部分は2−14 大奥の原理
マトリクス累進については、第3章《コラム》学歴税(マトリクス累進による所得税)
少子化問題に関しては3−5 少子化対策と生涯学習社会、そして機会均等
生涯学習社会に関しては3−11 優秀な人材が企業を選ぶ基準は週休3日制
をお読みいただきたい。 あるいは後ろから先に読んでも面白いかも知れない。
あとがき(総決算)および3−15 21世紀、未来社会の手本を日本が示せ!
これらの項は少々長いが、ゲームに例えるならばラスボスとの戦いである。

日本には全ての子供を大学に行かせるくらいの経済力はあるはずだ。 そうならないのは利権に群がるシロアリが原因である。 と言う観点から「大学授業料無償化」を主張する政党もある。 だが学歴ビジネスも利権の1つではなかろうか?
授業料は無料だけど教科書は有償だとかケチなことを言っている財政状況で、はたして大学まで無償化出来るのか? そもそも生活費がなければ生きて行けないから、貧乏人は大学に行けない事に変わりはない。 中途半端な「無償化」はむしろ金持ち優遇ではないか?
世界には大学の授業料が無料の国もあるが、資源のある国か、さもなくば大学進学率の低いエリート主義の国か、社会に即役立つ実学志向の大学である。 いずれにせよ日本よりも税金の高い国である。
日本は先進国中、教育投資が少なすぎると主張する人もいる。 たしかに公的支出は少ないが、私的な支出を含めれば結構な額を子供に使っている。 もっとも「私的支出の割合が高い」事が教育格差につながっていると言えなくもないが、とはいえ単純に公的支出を増やし「ばらまけば解決する」ものでもない。 火に油を注ぎ、ますますの高学歴化を招く結果とならないように、慎重にブレーキをかけながらの対処が必要である(それが本書の主張する学歴税)。
大学無償化よりも、むしろ虐待防止とか、少子化対策とか、そちらの方が優先である。 また少子化対策名目の予算であっても結果として「大学・受験産業を儲けさせるだけに終わる」事のないようにする工夫も必要である(「学歴税」による高学歴化抑止)詳細は「第3章《コラム》学歴税(マトリクス累進による所得税)とは」参照。
給付型奨学金の導入が叫ばれているが、給付型奨学金それ自体は昔から存在する。 ただ成績やその他の条件が非常に厳しい。 大学全入時代を迎えた今日、金持ちはバカでも大学に行けるのに、貧乏人ばかり厳しい事を言われるのは不公平であり、これも格差問題の一種であるとの観点から、条件の緩和あるいは撤廃を求める動きは理解できる。 だが一方では高卒で就職する人もいるわけで、そのような人たちは安易に公金を投入して欲しくないという立場である。 あちらを立てればこちらが立たずという意味から、この問題は「多元連立方程式」とも呼ばれている。 本書はマトリクス累進によりこれを一挙に解決するものである。

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